2020年の振り返り
2020.12.30 事務所紹介
2018年10月に弁護士1人で開業しましたが、独立2年目の2020年は大きく飛躍できた年となりました。コロナ禍により、いくつかプロジェクトを延期、断念したものがありました。しかしこの状況だからこそ、所内の働き方等を熟考する機会にもなりました。以下、2020年の主な出来事を振り返ってみました。
<トピック>
1 総勢12名の中規模法律事務所になりました
2 国際弁護士ネットワークに加入しました
3 1on1、人事評価制度を導入しました
4 リモートワークで週半分以上自宅勤務です
1 総勢12名の中規模法律事務所になりました
弊所の主要取扱分野は渉外法務、一般企業法務、独禁法の3つですが、2020年はそれ以外でも幅広い分野(不動産、法人破産、景表法・個人情報、国際相続等)でご依頼を頂きました。この流れを受けて2020年も人員の増強を行い、現在、弁護士8名、事務3名、中国人弁護士1名の合計12名の組織となりました。
気楽だった1人の個人事務所から、開業2年3ケ月で12人の中規模法律事務所となり、身が引き締まる思いしかしませんが、2021年はこのスケールだからこそ実現できる組織力、チームワークでこれまでできなかった大型案件にも対応していきたいです。
2 国際弁護士ネットワークに加入しました
2020年は、渉外法務分野が増えるにつれて必然的に諸外国の弁護士との連携を模索することとなり、これまでに繋がっていなかった国、専門家とのネットワークが広がったのが大きな収穫でした。弊所は、国際弁護士ネットワークWILL(50か国、170名以上、2020年12月末現在)に加入し、大手法律事務所以上の迅速性、品質で、かつリーズナブルな価格でのリーガルサービスが可能となりました。
国際弁護士ネットワークWILL(Worldwide International Lawyers League)
www.willeague.com
中村弁護士のプロフィールはこちらからご確認頂けます。
3 1on1、人事評価制度を導入しました
弊所で働くことでどこよりも成長してほしいという気持ちから、2020年から1on1、人事評価制度を導入しました。
(1)1on1
1on1は、ヤフーさんがやっているのを丸パクリ導入しました。パートナー弁護士とアソシエイト弁護士(又は事務)の2名で月1回15分間、対面で、アソシエイトが仕事で感じたことや考えていることを壁打ちのように話してもらっています。パートナーは、アソシエイトの話の流れを遮らないよう、こちらから解決策を安易に提示せず、メモを取って最後それをアソシエイトに渡しています。目的は、アソシエイトに、自身の考えを整理してもらい、気づきを得てもらうことにあります。パートナーとしても、アソシエイトが日々考えていることを直接聞ける機会になるので、働きやすい環境作りのいいヒアリングになっています。
(2)人事評価制度
人事評価制度は、法律事務所でやっているところはほとんどないと思います。パートナー自身の経験から20の人事評価項目(品質、迅速性、クライアントコミュニケーション等)を独自に作り、各自に点数を付けてもらい、パートナーも点数を付けて、各項目ごとにフィードバックをする形をとっています。これにより、パートナーの期待値を見える化して、各案件の指示や成果物に齟齬が少なくなるようにしています。これもリモートワークだからこそ「密な」相互コミュニケーションをしていこうという考えによるものです。
4 リモートワークで週半分以上自宅勤務です
(1)リモートワーク
コロナ以前から、弊所ではリモートワークのためのクラウドサーバ導入、書類のPDFを行っていました。さらに、slackによる所内コミュニケーションの見える化、チームコラボレーションの活性化を行っていました。
2020年はパートナーでもアソシエイトでも、週の半分以上を自宅勤務にする例が出ています。ちなみに、事務員の自宅に事務所負担でプリンターも設置させてもらっているので、事務員も自宅勤務ができています。また、コロナによりオンライン会議が増えましたが、移動時間がないため、1時間のスロットでの会議を連続して入れることができ、これにより家族や趣味といった自由な時間が増えたことはよかったと思います。
ただ、対面ではないためパートナーにとって進捗を管理する難しさに直面しています。これについては、弊所では毎朝全員参加の10分間の会議を行うことにしました。各自、今日のうちにやるタスクを話してもらうことで、自身でタスクを管理してそれをコンプリートする習慣を自身で構築してもらうようにしています。
(2)土日休み、平日も休みとれています
東京の企業法務系法律事務所は、土日も出勤、平日休みなんてもってのほか、というブラックな空気感がまだまだあります。これは普段、経験弁護士の採用面談をしていて肌で感じていることです。
2020年、弊所では、アソシエイトは基本的に土日は仕事をしていませんでした。また、平日であっても案件が落ち着いているときには休みを自由にとっていました。もちろん、案件のスケジュールがタイトなときや、進捗が遅れている場合にはそれをカバーする必要もありました。ただ、恒常的に土日も仕事という仕事環境は結局はパフォーマンスに影響し、クライアントにも迷惑がかかると思いますのでむしろ避けるべきと思っています。
以上、2020年の振り返りでした。次の世の中を作っていくアイディア、価値観、サービスは、コロナ禍のような制約の中から生まれてくると思います。2021年もそのような前向きな気持ちで、既存クライアント様、新たにお会いするクライアント様の「伴走者」として所員一同対応させて頂ければと思います。
2020年、皆様には大変お世話になりました、心より感謝申し上げます。
2021年、皆様にとって良い年になりますよう祈念申し上げます。