2021年の振り返り
2021.12.30 事務所紹介
3期目の2021年は弁護士も増えたことで、組織構築を深く考えた年でした。
私自身は、PM理論でいうMの要素が欠落していることに気づき笑、組織の経営者として(遅いですが)多くの学びを得られました。あるコーチングの方に、「あなたが顧客にしていることを所員にもやってみては。そうすればいい組織になるよ。」と言われたのが、今年一番の言葉です。
<2021年のトピック>
1 ミッションの再構築
2 雑談タイム等の導入
3 ナレッジの共有
4 専門的案件の対応
1 ミッションの再構築
トップとして事務所の進むべき方向性を発信し続けようと思い、ミッション等を再構築しました。
- ミッション(存在意義)
国境を超えた取引に生じる法的課題を解決する「社会の公器」として価値ある製品・サービスを遍く普及させ、国際社会の繁栄に寄与することを目的とする
- ビジョン(将来あるべき姿)
日本一働きやすい職場環境の下で実力を最大限発揮でき顧客に期待以上の成果・感動を与える唯一無二の法律事務所を目指します
- バリュー(価値観)
Act as a team, globally
・Act 共に悩み、共に走り切る、伴走者
・Team 各自が専門分野を有し、組織的にチームで案件対応
・Globally 海外拠点を有し、海外の専門家とのネットワークによりワンストップで解決する
2 雑談タイム等の導入
カウンセルとシニアアソシエイトポジションの採用が進んだことで、パートナーだけではなく、二番手・三番手が若手を指導する組織作りを目指しました。この点、2021年はリモートワークが主流になったからこそ、チームビルディングをどうしていくか内省した年でした。
チーム内コミュニケーションには、1対1と1対多があると思いますが、このコロナ禍ではオンライン・オフラインをうまく組み合わせるこのがコツと思います。2020年はパートナーと所員との1on1をしていましたが、もっと横のつながりで気軽なコミュニケーションの機会こそ重要ではと感じていました。そこで、2021年は以下の施策を導入しました。
オンライン | オフライン | |
1対1 | 雑談タイム | 所員とのランチ(食事代補助) |
1対多 | 朝礼、進捗会議、事務会議、NL勉強会 | 懇親会・忘年会 |
・雑談タイム(事務局も参加)
1週間に1回、ランダムで割り振られて、30分間雑談をする。
目的は、仕事以外の話もしてお互いをよく知ること、NL内での横のつながりを深めること、チームで仕事がしやすくなるようにすること。
・朝礼(事務局も参加)
各自のその日のタスク、稼働予定を共有。
その場で個別案件についての相談、議論。
・進捗会議(弁護士のみ)
2週間に1回、30~40分程度で、各自の案件の相談、議論、感想などを共有。
・事務会議(事務局も参加)
1ヶ月に1回、30分程度、事務作業の効率化、改善の議論。
・NL勉強会(弁護士のみ)
1ヶ月半に一度、持ち回りで、自身の興味ある分野(NLの案件でなくてもOK)について発表。
・所員とのランチ
所員と行くランチについて、一定金額を事務所で支払。
・懇親会、忘年会
やっと実現できた。。。
その結果、所員同士のコミュニケーションが増え、お互い気軽に質問できる雰囲気が明らかに仕上がったのを感じました。
3 ナレッジの共有
もともと弊所はslackを使って所内のやり取りを全て見える化し、過去の成果物やアドバイスを遡って検索できるシステムにはしています。しかし、肝心の弁護士・事務の仕事の仕方というソフトの部分がまだ可視化できていませんでした。そこで、以下の施策を実行しました。
・マニュアルの整備
弁護士向けマニュアル:案件資料・サポート資料の見方、リサーチの方法、各種セットアップ等について説明
事務向けマニュアル:日常の作業内容、slackの使い方、請求書作成方法等について説明
これにより、加入したメンバーがスムーズに執務開始できるようにしました。
・NL虎の巻作成
上の期の弁護士3名で、若手弁護士向けに「弁護士の仕事の仕方」を解説する文書を執筆し配布しました。Wordで20頁以上になっています。
総論は、いい弁護士とは?という究極の問いに始まり、クライアント対応、兄弁・姉弁への報連相のやり方、ドラフティングなどについて解説しています。
各論では、契約書レビュー、法令調査、紛争交渉、訴訟、渉外案件等のテーマごとに、気を付けるべきポイント、案件の流れなどを解説しています。
若手弁護士にはこの虎の巻を読んでもらって、パフォーマンスがどう上がるか、来年の中盤に評価してみたいと思います。今後加筆を重ねて、NLとしての出版を考えています。
4 専門的案件の対応
2021年も、企業法務案件、渉外案件の中でやりたいと思っていた案件で依頼を頂けました。クライアント様に改めて感謝申し上げます。一例として以下が挙げられます。
・海外上場にあたって日本子会社を対象とする法務DD
・クロスボーダーM&Aでの海外弁護士と連携しての法務DD
・不祥事案件でのチームでの調査
・日本在住外国人向けのホームローヤー
・国際相続案件での海外弁護士との協働
・メタバース分野での法的アドバイス
2021年も多くのクライアント様、提携先様との仕事に恵まれました。
来年は第4期目の法律事務所として、チームで着実な成長をしていきたいと思います。
代表弁護士
中村優紀