東京・国際弁護士・英語対応の中村法律事務所

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エクスターンシップ受入報告

2022.1.16 採用情報

母校ロースクールから、今年2回目のエクスターンシップ生を受け入れました。
1週間のうち、半分をオフライン(対面)、半分をオンラインで研修して頂きました。
エクスターン生から貴重な感想文を頂きましたので、承諾の上、以下掲載させて頂きます。

以下、感想

先日のエクスターンシップでは、大変お世話になりました。

中村先生をはじめ、貴所の先生方には、5日間という短い間であったにもかかわらず、大変熱心に指導して頂きました。先生方のおかげで、私自身大きく成長できたことを実感しております。誠にありがとうございました。

 

私は、これまでにも、企業法務を扱う他所のインターンシップに参加したことがありますが、今回のエクスターンは、私にとって「初めて」企業法務に触れた機会であったように感じています。

これまで参加したプログラムでは、講義を聴くだけ、与えられた教室事例を解くだけ、あるいは弁護士の先生が作成した書面を読むだけというものでした。もちろん、それはそれで多くの学びを得ることができましたが、結局企業法務を扱う事務所が何をしているのか、突き詰めるところ企業法務とは何なのかがわからないままプログラムは消化され、どこか物足りない思いをしておりました。

しかし、貴所でのエクスターンシップは一味も二味も違い、まさに私が学びたいところを学ぶことができる、「かゆいところに手が届いた」大変貴重な機会となりました。

 

私が学びたかったことの一つに、M&Aにおける法務パートナーの具体的な役割があります。特に、ビジネスパートナーと法務パートナーの役割の区別がどうしてもわからないでいました。今回、DDのパートで、かかる悩みに一つの終止符が打たれたように感じます。

最初にDDレポートを読ませて頂き、会社設立の有効性や株式譲渡の有効性、労務関係のリスクの発見、さらにはそれらに対するリスクヘッジやM&Aスキームの構築など、まさに法務パートナープロパーの役割を理解しました。そして、法務DDにより危険性が明らかになり、実際にディールが破綻したという、M&A全体の動き、その中での法務の役割の重要性を感じました。

その中で、中村先生には、DDレポートに関するフィードバックのほか、参考図書も紹介して頂きました。参考図書を読んだことで、より一層M&Aに対する理解が深まったと感じておりますが、それも、一度本物のDDレポートについて検討し、そのフィードバックがあったからこそ得られたものであると確信しております。

 

エクスターン期間中、中村先生には、私の興味関心に従ったプログラムを組んで頂きました。

そこで、私は、プログラム序盤で興味を持つに至った契約書レビューに特に力を入れて学習させて頂きました。最終的に3通の契約書のレビューをさせていただきましたが、いずれも求められていること、着目すべきことが全く異なり、毎回新鮮な気持ちで学習できました。

一通目は、修正点が多く、大幅な加筆修正が求められる契約書でした。「今からビジネスを始めようというクライアントが想定しないようなストーリーを、契約書から想像して、リスクヘッジをする」という企業法弁護士の仕事を始めて体験しました。担当して頂いた先生には、法律家の役割の重要性とともに、自分の能力を生かしてクライアントの役に立つことができるという喜び、それと同時に感じる責任の重さを体感させて頂きました。

二通目は、原則として文言の修正を行うことのできない規約のレビューでした。私は、文言の修正を求めることはできないということを読み取ることができず、一通目と同様に漫然とレビューをし、クライアントに全くもって的外れなアドバイスをしてしまいました。それに対し、担当して頂いた先生は厳しく指導してくださいました。依頼された弁護士が何を求められているか、案件との関係における具体的な条項の重要性、クライアント企業内部でのやりとりやクライアント企業の能力も想像しながら、プロとしての仕事をすることを教えて頂きました。

三通目は、NDAのレビューでした。1・2通目で学んだことをどうにか生かそうと、今回のプログラムの集大成として取り組みました。NDAでは、雛形となる契約書と比較しながら検討を進め、細かい問題点を発見・指摘しました。担当して頂いた先生には、関連法令を意識しながら条項を読み解く手法、立場性を意識しながらレビューすることの大切さを教えて頂きました。

それぞれの課題がすべて刺激的で、直接担当してくださった先生方は、皆さまお忙しいにもかかわらず本当に熱心に指導してくださって、大変感謝しております。また、このように魅力的な3つの課題を選定し、プログラムを組んでくださった中村先生にも、頭が上がらない思いでございます。

また、今回のプログラムでは、企業側の代理人としての訴訟についても学ばせて頂きました。訴訟案件は、これまで触れたことがなかったため、貴重な経験となりました。司法試験の学習と異なり、証拠から要件事実を整理し主張を組み立てること、相手方の主張の弱いところを指摘していくことの難しさを痛感しました。また、紛争解決の終着点をどのように線引きするかや、どこまですることがクライアントの利益になるのかを考えるまたとない機会になりました。担当して頂いた先生には、私の質問に丁寧に答えていただき、両当事者の主張の要点やその評価、さらには実際の和解の進行についても教えて頂きました。休日や夜遅くに渡ってまで対応して頂き、ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ない思いでいっぱいでございます。誠心誠意対応して頂き、誠にありがとうございました。

 

上述のプログラムのほか、中村先生には、独立や事務所経営についても教えていただきました。これらにつき直接お話を伺える機会は滅多にないので、大変興味深く学ばせて頂きました。特に、クライアントの獲得の仕方や、情報技術の進んだ現代において現地事務所を置く意味についてのお話が印象に残っています。

また、中村法律事務所の一つの強みである英語案件につき、英語のミーティングに対面とオンラインの2回参加させて頂きました。内容については、正直ほとんど理解できませんでした。しかし、クライアントと弁護士の生のやり取りの臨場感・熱量・緊張感は、言葉がわからずとも体感でき、とても刺激的でした。また、これからの弁護士が英語をできることの重要性・必要性を強く感じました。

さらに、ランチタイムには、法曹としての将来のビジョンのほか、就活や司法修習、さらにはプライベートな話題についてまで相談に乗っていただき、今後の生き方を考える機会となりました。

 

今回のエクスターンシップを通じて最も強く感じたことは、基本7法の学習の重要性と、法律家は「学べば学ぶほど更に学ばなければならない」ということです。学びに終わりはありませんが、常に「今」学習していることを大切にしていきたいと思います。

 

最後になりますが、プログラムを作成し、最も時間を割いてくださった中村先生、直接課題を担当して頂いた先生方、ランチや事務所内で声をかけてくださった先生方や事務員の方々、この度は、お忙しい中時間を割いてくださり、本当にありがとうございました。今回のエクスターンで学習したことは、私が法曹になるまで、そして法曹になった後においても、一つの重要な財産となり、今後の学習の道標になるものと確信しております。

この度は、大変お世話になりました。

 

今後とも、よろしくお願い申し上げます。

 

【追伸】

私は、ランチタイムがとても楽しみでした。おいしいご飯をたくさんご馳走して頂き、ありがとうございました。特に、最終日のお寿司は、あのように高級なものを食べたのは、私の人生で初めてでした。もしまた機会がありましたら、例の「1㎏の漫画のような肉」をぜひ食べてみたいです。ご馳走さまでございました。

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