東京・国際弁護士・英語対応の中村法律事務所

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ヨーロッパでの免税手続

2019.11.26 一般

東ヨーロッパ5か国を訪問してきました。
Tax refund(免税手続)で若干いざこざを経験してきましたのでシェア致します。

Tax Refund(免税手続)

日本人の場合、EU圏内の国で購入した際に支払った税金(VAT、付加価値税)は、EU圏外に出るときに免税手続をとれば税金還付を受けることができます。例えば私がスーツを買ったウィーンでは衣服の購入金額に20%の税金が加算されますので、我々日本人にとっては免税手続を完遂することは結構重要なタスクとなります。


ただ面倒なことに、ショップがTax Refund会社(Global Blueが大手)に加盟しているかどうかで免税手続が異なってきます。加盟している場合とそうでない場合のそれぞれについて、免税手続を解説します。

1 Global Blue加盟店の場合

  1. ショップでの購入時に、店員さんにパスポートを渡します。
  2. 店員さんは、パスポート情報を入力して、Tax Free Form(免税書類)を発行してくれます。
  3. 空港の税関カウンター(ウィーン空港だとEvalidationというサイン)で、商品、領収書原本、免税書類を見せると、免税書類にスタンプを押してもらえます。
  4. 使用したクレジットカードに税金が払い戻されます。

2 Global Blueの非加盟店の場合(以下は今回のショップから言われた手続)

  1. ショップでの購入時に、自分の名前をパソコンに向かって入力するよう言われます。
  2. 店員さんは、それを元に、領収書を作成します。領収書には、自分の名前、店員さんの名前、サインがされます。
  3. 空港の税関カウンターで、その領収書にスタンプを押してもらいます。
  4. その領収書の写真を撮ってショップに送ると銀行振込により税金が払い戻されます。

3 Global Blueの非加盟店の体験談

(1)がほとんどのケースだと思いますが、私がスーツを買ったショップは(2)のパターンでした。私は、特に気にも留めず3の手続、空港の税関カウンターに行ったのですが、「正式なTax Free Formがないのでスタンプは押せない」と言われました。私は、ショップではこの手続きを説明されたので問題ないはずと何度もいい、税関カウンターのスーパーバイザーまで出てこさせて訴えましたが、スタンプを押してくれませんでした。

普通はそこで諦めるのかもしれませんが、私は、税金払戻を見込んでそこそこ大きい買い物をしたんだから何とかしてくれという気持ちと、ここを乗り切ればいい経験になると思い、スーパーバイザーに「今から私がショップに電話して、ショップからあなたに直接説明させるので聞いてほしい。」と伝えました。

スーパーバイザーは5秒ほど迷っていましたが、私が電話をかけ始めたのを見てやれやれ、しょうがないなと電話口に応ずる構えを見せました。そこからのスーパーバイザーは、ショップに対し、免税手続がどうなっていることを一から説明し、Global Blue非加盟店用の手続を説明していました。私も細かいことは聞き取れなかったのですが、スーパーバイザーはショップのいけてない対応に愛想をつかし、その勢いで領収書にスタンプを押してくれました!

スーパーバイザーは笑いながら「でもこれでショップが税金を払い戻してくれるか保証はできないわよ。」と言いましたが、私は「自分は弁護士なのでここからは自分の仕事だね。」と言い返してお別れました。

その後、私はスタンプが押された領収書をショップにメールで送ったところ、2日も経たないうちに20%相当額の税金が無事還付されました。

フライトの時間も迫っている中での交渉はなかなか刺激的でした。

皆様もショップでの買い物の際は、Global Blue等のTax Refundの加盟店であるか、非加盟店の場合はどのような手続きをする必要があるのかよく確認されることをお勧めします。

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