東京・国際弁護士・英語対応の中村法律事務所

東京・国際弁護士・英語対応の中村法律事務所

ブログ

2025年夏季エクスターンシップ

2025.9.15 採用情報

最終更新日 2025.12.29

この夏も、ロースクールから学生のエクスターンシップを受け入れています。素敵な感想を頂きましたので掲載を致します。弁護士にとっても自身のプラクティス、弁護士としての仕事を見直す良い機会になりました。

 

以下、感想

このたびは、大変お忙しい中、学生である私を5日間温かく受け入れてくださり、誠にありがとうございました。

 

将来クロスボーダー案件に携わりたいという志を抱く私にとって、中村法律事務所はこれ以上ない理想的な研修先でした。研修を通じて、問題解決のプロフェッショナルとしての弁護士の姿を間近で拝見し、毎日が刺激に満ちており、今年の夏一番の思い出であり学びとなりました。その経験は、大きく次の三点に集約されます。

 

1.依頼者の声と事実の狭間

法律相談に二度同席させていただきました。その場で印象的だったのは、中村先生の姿勢です。依頼者に過度に同調するのではなく、「何か書類や記録はありますか?」と淡々と問いかけ、常に事実を基盤として対話を進めておられました。後ほど先生に伺うと、「依頼者の言い分にはどうしても主観がかかっている。だからこそ客観的な資料から事実を拾い出し、その上で我々ができることを提案するのだ」とお話しくださいました。

私は困っている依頼者を目の前にすると感情が先走り、依頼者の視点に寄り添いすぎてしまいます。しかし、事実は一つであり、それをいかに解釈し法的構成へと結びつけるかが弁護士の力量であることを学びました。普段の勉強では事実が問題文として与えられていますが、実務では証拠の収集から事実を丁寧に浮かび上がらせていく作業が必要となることを認識しました。

 

もっとも、事実の確認だけでは十分ではありません。依頼者の置かれた状況や人柄を見極め、何に傷を負い、何を求めているのかを把握することが重要です。内密性を重視しているのか、金銭的賠償を望むのか、あるいは契約交渉で譲れない点は何か。依頼者の真のニーズを理解して初めて、適切な解決プランを構築できるのだと学びました。その過程を経て、中村先生は依頼者と同じ温度感で問題解決に挑んでいるのだと感じました。

2.依頼者との対話

もう一つの相談では、相続人が外国人である場合の相続税申請に関する手続きが問題となりました。税務は税理士の専門領域であり、弁護士の回答には限界があります。そこで中村先生は可能な限り回答を行ったうえで、自分が信頼する国際相続に精通した税理士を紹介されていました。

興味深かったのは、その後の依頼者の表情です。具体的な解決策が示されたわけではなかったにもかかわらず、依頼者は明らかに安心した様子を見せていました。この経験から、弁護士の役割は単に法的助言を与えるにとどまらず、依頼者の不安を言葉にさせ、その心を支えることにもあるのだと実感しました。特に外国人にとって、日本という異国で必要な情報を得ることは容易ではありません。その中で弁護士の存在は、大きな心理的支えとなり得るのだと思います。私自身も、人の声に誠実に耳を傾け、持ち得るリソースを最大限依頼者のために活かせる弁護士でありたいと強く願いました。

また、業務委託契約書をレビューする機会もいただきました。契約書を読むのは初めてで戸惑いながらも、依頼者の希望をどのように条項へ反映させるかを自分なりに考えました。さらに、将来紛争が生じた際に文言が依頼者に不利に働かないよう、想像力を働かせて一つ一つ条項と文言を検討する必要がありました。その過程を通じ、依頼内容を形式的に確認するだけでなく、依頼者がどのような会社で、どのような業務を行い、どこに強みや弱みを抱えているのかといった背景を理解することの重要性を学びました。それによって、無駄なやり取りを減らし、依頼者の要望に沿った成果を効率的に導くことが可能になるのだと理解しました。

3.リサーチ力

国際相続の案件では、相続人が外国籍で住民票を有さないため通常と異なる手続を要する場合や、相続人が海外に所在し連絡が取れない、あるいは連絡を拒否される場合がありました。その際、弁護士自らが道筋を切り開く必要があります。前者では AFFIDAVIT(外国の公証役場による認証付き身分証明書)が住民票の代替となり、後者では不在者財産管理人の選任申立てを行うことになります。

先生方は法務省のガイダンスを参照し、文献調査や法務局への照会を重ねながら、次の一手を模索されていました。その姿は新鮮であり、特に国際案件では定型的な手続が存在せず、案件ごとに柔軟な対応が求められることを実感しました。実務においては、その場に応じた適切な解決策を見極める力と、答えへと地道に辿り着く力が不可欠です。ロースクールではリサーチ力を試される場面は限られていますが、実務家を志す以上、何事にも粘り強く取り組む姿勢を忘れてはならないと痛感しました。

以上の経験を通じ、一日も早く弁護士として、依頼者に、そして国際社会に貢献したいという思いを一層強く抱くようになりました。法的助言にとどまらず、人々の声に誠実に耳を傾け、事実を見極め、最適な解決策を導くために必要な力を、今後も鍛え続けてまいります。

 

最後に、毎日お食事にご一緒いただき、キャリアや勉強についてご相談させていただいたこと、またお菓子を囲みながら和やかにお話しさせていただいたことも含め、事務所の日常に触れられたことが純粋にとても楽しかったです。温かく迎え入れ、ご指導くださった中村先生をはじめ、他の先生方や事務局の皆さまに、心より感謝申し上げます。

同じカテゴリの記事

新着記事