東京・国際弁護士・英語対応の中村法律事務所

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2024年冬季エクスターンシップ

2025.2.3 採用情報

2025年1月に1週間、一橋ロースクールのエクスターン生に研修をして頂きました。素敵な感想を頂きましたので掲載させて頂きます。

 

この度は、大変お忙しい中、貴所の業務を直接体験させていただく貴重な機会を賜り、誠にありがとうございました。5日間のエクスターンシップを通して、貴所の先生方からご指導をいただき、幾度も貴重な経験をさせていただいたことで、普段の法律学習や過去のインターンシップ活動では知り得なかった企業法務の実側面を肌感覚で捉えることができ、実務に対する理解が格段に深まりました。

 

プログラム期間中の課題として、留学生VISA案件、国際相続案件、損害賠償請求訴訟案件の解決策の検討や、M&Aの株式譲渡契約書の作成等をさせていただく中、単に法的に正確な結論を導出するのではなく、依頼者からの信頼に応えようと、依頼者の利益の最大化に尽力する姿勢の大切さを実感しました。司法試験受験生としての普段の勉強では、与えられた事情から導かれる法律論の構成に意識が向きがちですが、誘導がなく事実を一から拾い上げる必要のある実務課題の検討を通して、弁護士業の本質は依頼者の法的問題の「分析」ではなく「解決」にあるという根底を再認識させられました。課題のフィードバックをいただいた際には、ご指導を賜ったどの先生方も、依頼者の意向を隅々まで汲み取った最適な解決策を模索されており、弁護士として的確なクライアントファーストを実践される姿に胸を打たれました。

 

頂戴した課題は、実生活上の身近な問題や普段の学習内容と関連する内容が多かった中で、私にとって馴染みのなかった国際相続案件の課題検討には苦戦しました。海外の複雑な相続手続が問題となるアウトバウンド方向の相続案件は勿論の事、日本国内におけるインバウンド方向の相続案件においても、相続関係によって準拠法の選定や不在者財産管理人等の諸制度の問題が関与してくるため、関係者との継続的なコミュニケーションや緻密な事実関係の確認が要請されることを知りました。将来的に相続問題のグローバル化が見込まれる状況下で、国境を跨いだ相続問題に直面する方々は今後増加するであろうし、各地域の情勢や法制度の変化により新たな法的問題も生じかねないため、そのような方々を救済するには、貴所の先生方のような当分野のエキスパートの存在が必要であると、弁護士のプラクティスとしての社会的存在意義を強く感じました。

 

更に、クライアント会議や公証役場での国際相続案件の交渉、買収提案の検討、所内勉強会といった多岐にわたる業務に参加・同席させていただく中で、企業法務に求められる意識・資質の如何を学び得ました。クライアント会議や公証役場での交渉では、中村先生と相手方とのやり取りを間近で見聞きし、弁護士業務においても、相手の立場に思慮を巡らせたコミュニケーション意識という、普段の対人関係と通ずる資質が重要であると実感しました。中村先生とクライアントの方々は、仕事について「会議」をしながらも、人と人との「会話」を楽しまれているように見受けられ、両者の間に業務を超えた対人的な信頼があり、一人間として相互にリスペクトし合う関係性が構築されている点が印象的でした。

 

また、M&A分野に強い関心を抱いている私にとっては、DDレポートの拝読や、上述のSPA作成業務、国内中小企業の買収提案の検討等、M&Aに関連する多様な業務を経験・拝見させていただいたことが非常に有難く、勉強になりました。各案件に携わられた先生方のご指導を通して、契約書作成のような業務もいわばレビューの一環であり、依頼者の利益を最大限に考えながら、相手方の立場に立った思考を巡らせるバランス感覚が重要であると学びました。クロスボーダーM&Aについては、国内M&A案件と同様の資質が要求されることに加えて、各国の法制度の違いを踏まえ、単なる翻訳ではなく、文化や商習慣を理解した価値提供をすることが求められるという点も印象的でした。

 

上記の経験をさせていただく中で、貴所の皆様には懇切丁寧なご指導をいただき、私の質問一つ一つに真摯に耳を傾けてご対応をいただいて、感謝の念に堪えない5日間でした。先生方に多くの知見をご教示いただいた中でも、中村先生の事務所独立と国際ネットワークの構築のお話は、特に衝撃的でした。歴史ある事務所の既存の海外ネットワークを利用するのではなく、一から関係性を築き上げてきた中村先生の貴重な経験談をいただき、どれも他事務所の先生方からは伺うことのできなかった新鮮なお話ばかりで、私がこれまで抱いていた弁護士としてのキャリア形成に対する考え方が刷新されました。

 

中村先生には、私の希望や興味分野に沿って非常に充実したプログラムをご用意いただいただけでなく、業務がお忙しい中でも常に私のことを気にかけ、時には私の相談にも親身になってお答えいただき、先生のお人柄の良さに感銘を受けました。私はかねてより国際案件に強い関心がありながら、海外在住経験がなく帰国子女の方々に英語力が劣る点で気後れしていたのですが、英語力は実務に入ってからの努力で補えるという中村先生のアドバイスに勇気づけられ、「クロスボーダー案件を通して日本企業のグローバルな活躍を法的に支援し、海外企業に日本企業のプレゼンスを示すことができる弁護士になりたい」という目標を明確に持つことができるようになりました。代表弁護士である中村先生の温かさが、貴所全体のアットホームな雰囲気や働きやすい環境を作り上げているのだと感じております。

 

皆様のおかげで、40時間という限られた時間以上に、多くの知見を吸収し、自身の将来を考える上で非常に意義深い時間を過ごすことができたと、深く感謝しております。司法試験を半年後に控えた中、自身の将来について悩むことが多かった私にとって、本プログラムで得た経験と学びが、企業法務弁護士・国際弁護士の働き方に対する解像度を高め、将来に対する不安を払拭してくれました。おかげさまで、早く弁護士になって実務に取り組みたいと願うようになり、司法試験合格に向けた学習意欲が改めて掻き立てられたため、この時期に貴所でエクスターンシップをさせていただいたことは非常に幸運であったと考えております。

 

改めて、5日間にわたり私をエクスターンシップ生としてお受け入れいただき、貴重な成長機会を提供してくださった貴所の皆様に、心より感謝申し上げます。

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