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国際相続(3)

2019.8.25 国際相続

7月下旬から3週間ほどサンフランシスコ、ニューヨークで海外リモートワークをしてきました。
最初の試みでどうなるかと思いましたが、日本との13~17時間の時差の中、アメリカ現地と日本、双方の案件に同時に対応できました。
家族帯同でしたので海外出張にありがちな寂しい思いもすることなく、時には午後昼過ぎから家族と合流したり充実したアメリカ滞在となりました!
 
さて、アメリカの銀行口座を持ったまま亡くなった場合の相続手続(プロベート)を回避する手続をご案内致します。

 
プロベートを回避して銀行口座を遺族に承継させる方法
 
(1)死亡時支払制度(Payable On Death)
・Payable on Deathとは、いわゆるPODと言われるもので、口座名義人の死亡時に、プロベートを経ず、予め指定した受取人(Beneficiary)が銀行口座残高の支払いを受けられる制度です。
・アメリカで不動産を持つ場合必然的にアメリカの銀行口座も開設することになりますが、口座名義人が亡くなると不動産所有者の場合と同様、プロベートの対象になってしまいます。
 
→生前からPODを済ませておくことで、実際にアメリカに銀行口座を残して亡くなったとしてもプロベートを回避できるので、日本の銀行口座と同様の手続負担で相続ができるメリットがあります(ただし、アメリカ遺産税はかかります)。

 
(2)具体的手続

アメリカの銀行によって手続きが異なります。
 
・日本居住者の方が多く利用されているユニオンバンクの場合
日本国内からの手続だけで完了、ご自身がアメリカに行く必要はありません。
必要な手続は、POD formの記入、銀行への提出、以上です!
 
・Bank of Americaの場合
アメリカ内の支店に赴いて手続をする必要があります。
支店では、本人確認のためのパスポート提示、Formへの記入を行います。
受取人(Beneficiary)は同席不要ですが、Formには受取人もサインをする必要があります。
手続き自体は10分程度で済みます。

 
手続費用は無料。
ユニオンバンクは、三菱系ということもあり電話で日本語対応もしてくれるので、日本人の方からは概ね好評のようです。

 
(3)手続き上のメリット

①プロベートになると、葬儀費用その他必要な支出に口座預金を自由に使うことができません。PODによりその制限なく、すぐに口座預金を自由に使えます。
②POD formの提出のみで手続は完了し、無期限で有効ですので、一度手続をすれば安心して遺族への承継ができます。
③口座名義人が亡くなられた場合、受取人は銀行に連絡して本人確認を行えば、口座残金の支払いを受けられます。
留意点として、相続税(アメリカは遺産税)が適用されること自体は変わりませんので、節税になる手続きではないことはご認識ください。

 

海外不動産を購入したはいいものの、万一のリスクへの対策をしておかないとせっかくアメリカで積み上げた資産を有効に活用できなくなります。遺族の方が慣れないアメリカでの手続で困らないよう、今のうちにプロベートを適法に回避する手続きを済ませておくことを推奨します。ご家族が安心・迅速に財産の相続ができるよう、当事務所もお手伝いさせて頂きます。何かお役に立てることがございましたらお声がけください。

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